今週の週刊東洋経済 ― 2009年06月30日 21:01

去年の今ごろも「週刊東洋経済」で鉄道特集をやっていましたが、ちょうど1年経った今年も「鉄道特集」です。
景気後退で減便になったトヨタ列車とか、いま一つ世界で存在感を出せていない鉄道業の海外進出とか、鉄道ファンが減少傾向にあるとか、去年の号に比べると「湿気た」話題が多いのが気にかかりますが、とりあえず一読。ネットでだいたいの情報が手に入れられるようになってから、鉄道雑誌はほとんど買わなくなったのですが、こういう別雑誌の鉄道特集はよく買います。
「自分がネットを巡回する時に持っていなかった視点」を提供してくれる、これが非ネット媒体の強みだと思います。
その中でやはり気になったのが、明るい話題だと「国際鉄道連合」の会長を今やっているのが実は日本人(p43)だということ。暗い話題だと「減りつつある鉄道ファン(p95)」ということ。
後者については気にかかることもありますので、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
「鉄道会社が新幹線やリニアにばかり資金を投入し、速さや効率性に傾いた」「車両や路線の画一化を嘆く」というのが鉄道ファン離れの原因の1つであるようにまとめられていますが、どうも納得できません。
鉄道は理系的な「技術」の賜物である以上、「速さ」や「効率性」「規格化(=悪く言えば画一化)」を追い求める「進化」なり「競争」からは逃れられないものだと私は考えます。それを否定した時点で、世界から、時代から、確実に鉄道は取り残されます。
締めにもの凄い暴論を吐きますと、週刊東洋経済の記載とは逆に、世の中の鉄道ファンの嗜好自体が、そんな「進化」とか「競争」を頑なに拒否っているような気もします。
しかし考えてみてください。
ちょうど自分が産まれる頃、蒸気機関車が国鉄から撤退し「SLブーム」が終焉を迎えましたが、その時点で鉄道趣味が世の中から消えていないじゃないですか。もっと言うと、SLブームでは悪役呼ばわりされたDD51に代表される、当時の「進化した」国鉄形車両が、いま逆に追われる立場になって熱い注目を集めているじゃないですか。
だから自分は鉄道ファンの減少についてはあまり悲観していません。もっと言うと、悲観的な気持ちそのものが「鉄道ファン減少の要因」になっているとすら考えています。
「暗いと不平を言うよりも、進んで明かりを灯しましょう。」いまの鉄道で楽しめるところを見つけて楽しみたいものです。
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