沖縄に行っていました(その4)「ナナサンマル」の日2010年08月07日 04:24

「ナナサンマル」車

以前のエントリーでも書きましたが、今年の夏は「7月30日」を狙って念願の沖繩に行っていました。
というのは、31年前のこの日、アメリカ統治時代の名残であった、「自動車の右側通行」を、日本本土に合わせた「左側通行」に変更する「ナナサンマル」と呼ばれる大プロジェクトが行われました。
警察や道路管理者に次いで大変だったのが、車両を一斉に右ハンドル車に変える必要に迫られた県内バス事業者。大量の新車を導入し、「ナナサンマル」に備えました。

以来30年、経営が苦しくなった島内各バス事業者は、大量に導入した「ナナサンマル」車両の老朽化・取替えに悩まされる事態になりました。その問題にようやく目処がつく頃、バスファンを中心に彼ら「ナナサンマル」の存在に注目が集まります。
思えば、もっと古いボンネットバスは多数の保存車がいるにも関わらず、以降のバスは人々から省みられる事はあまりありませんでした。

そんな「記念日」を狙って渡沖。
残存する2台のうち、沖繩バスの「1064(三菱MP117)」は稼働する事はありませんでしたが、もう1台の東陽バス「906(日野RE101)」は、レストアされた最高のコンディションで、「ナナサンマル」記念宣伝幕も誇らしげに、那覇市北部を横断する路線で運行していました。


旅行最終日に「906」に巡り合わせ。早速乗り込みます。那覇市内の坂が急なところで動画を撮りました。茨城に住んでいた頃、当時沿線を走っていた東武バスで馴染んだ日野サウンド。すごく懐かしく、いい思い出でした。

以降、現地で撮った写真をモトにツラツラ綴ってみます。
那覇バスターミナル
沖繩のバスは、いまでも鉄道なら「サボ」と呼ばれる表示板で、路線番号・行先を表示しております。ターミナルでは、作業員が「サボ」を入れ替える、懐かしい光景が日常的に見られます。

バスコレでもお馴染みの琉球バス長距離車
最近バスコレクションでも発売になった、琉球バスの長距離車。那覇空港と名護を結ぶ、2時間以上かかる長距離路線で使用されております。西海岸のビーチを結ぶ観光路線でもあり、引き違い窓のグレードの高い快適な車両です。

もと小田急バスの那覇市内線車両
琉球バス中古車の最古参車
「ナナサンマル」車の老朽化・経営悪化に悩まされていた県内バス事業者は、平成5年前後より中古バスを導入することにより低コストでこの問題を解決しようとしました。
排気ガス規制が厳しい東京・大阪圏の中古車両が現在も継続して導入されており、この点でもバスファンの注目を集めています。
しかし、中古バスの導入が始まってから15年、最初に導入された車両も続々撤退しております。その頃に投入された懐かしい車両を2台。上の那覇バスはもと小田急バス、下の琉球バス交通は東京都か横浜市中古です

那覇バス営業所にて
今回の旅行では、バス写真撮影のため、許可を頂いたうえで多くのバス車庫を訪問しました。個人の趣味事に快く許可を頂きました各社に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
写真は那覇バス。左は行先表示に特徴がある観光地仕様の路線バス、右は京浜急行バスから流れてきた最新の中古車。1990年代後半に製造されたバスも、容赦なく都市部から追い出されております。

もう1つの「730」車
営業所で撮った1枚。廃車体ですが、「ナナサンマル」で投入された、那覇交通の市内線用車両です。まだ残っていたんですね。

もと神奈川中央交通中古:南部横断路線
全国で中古バスが出回り始めた頃、各社から引き合いが多かった、神奈川中央交通の中古車。車内もザラツキある座席モケット等、当時の特徴が強く残っていました。写真の沖繩バス車両は南部で運用されております。

1日1往復の高速バス屋慶名行き
沖繩にも高速道路があり、専用の車両を使用した高速バスが那覇ー名護間で運行されておりますが、一般車を使った珍しい高速バスもあります。いつものバスが高速道路を疾走するのは、なんか不思議な気持ちにさせられます。しかし、無料実験中の沖繩自動車道、混んでましたねぇ。

やはり「ナナサンマル」の日に無理して行ってよかった・・・その思いを新たにしました。