東北新幹線開業!にかこつけた青森ドタバタ旅行記(前編)2010年12月05日 11:43

新幹線一番列車「はやて93号」

新幹線出発式@八戸
八戸で夜を明かした翌朝、東北新幹線全線開通の始発列車に間に合うように下りホームに向かいます。
東北新幹線がここ八戸まで延びてきたのが、ちょうど8年前の同じ12月。構想から38年を経て、12月4日の新青森開業をもって、東北新幹線が全線開業したことになります。
ちょうど八戸駅新幹線ホームでは、新青森行きの下り1番列車を送り出すべく、出発式が行われていました。

はやて93号(下り一番列車)
これから乗るのは、新規開業区間を一番最初に走る、下り始発列車、はやて93号新青森行きです。普通ならはやて号は全車指定席ですが、盛岡始発のこの列車は青森への通勤用でもあるため、普通車全車自由席です。
特急券を買う時、駅員より「自由席がある青森行新幹線は朝しか無いんで乗り遅れないように」と言われました。
ここで、青森在住の大学鉄研の先輩2名と合流(新青森始発のはやて12号に乗って八戸まで来ました。そのまま下り始発で折返します!)し、下り新幹線に乗り込みます。

新青森到着
東京始発の「はやて11号」の指定券が発売開始30秒で蒸発したのが嘘のように、「はやて93号」は、楽に座れる程度の混み具合です。工事に十数年の年月を要した八戸〜新青森間を、ものの十数分で駆け抜けてしまい、あっけなく青森に到着。
八戸から七戸十和田までの「南部」は、地形のアップダウンも少ない平原を走りますが、全長26kmの「八甲田トンネル」を抜けると「津軽」、天気も地形も冬の日本海を彷彿とさせる陰鬱な風景になります。この「南部」と「津軽」の対比、かなりインパクトありました。

新青森駅
新青森駅。ガラス張りの駅建屋越しに高速鉄道の列車がチラリと覗けるあたり、近未来的というかヨーロッパ的というか、なかなか好ましいデザインです。

JR盛岡支社名物「トレインジャー」はやて
ちなみに、ここまで来る車両ですが、いまのところ、引き続きはやて号お馴染みのE2系電車です。

新幹線E2系はやて
・・・トレインジャーじゃなかった、こいつです。


在来線移管の「青い森鉄道

青い森鉄道開業式典
整備新幹線の開業につきまとう問題が「並行する在来線」の問題。在来線を管理している旅客鉄道会社では、頼みの長距離客が新幹線に移行し、在来線から得られる収入が激減してしまいます。
そのため、1998年の長野新幹線の開業以降、並行する在来線をJRから切り離し、地元出資の第三セクターに移行するモデルが標準的になりました。これらは、在来線の沿線住民と通過する貨物列車・夜行列車の乗客からの運賃収入のみに依存しており、厳しい経営が予想されます。
制度自体の是非・あるべき論はここでは論じませんが、今回の新幹線開業でも、同じようにJR東北本線の八戸〜青森間を切り離した「青い森鉄道」が開業しました。車両はJR車と同一設計ですが、キャラクターのラッピングがされた明るいデザインに変更されています。

青い森鉄道の快速列車
本当は、今日は我儘言って、まだ乗った事のない大湊線・十和田観光電車線に乗る行程を組んでもらったのですが、ご存知のとおり土曜日の天気は大荒れ。大湊線は強風のため運休、との事。
仕方がないので、浅虫温泉まで向かう快速列車に乗り込みます。この列車、浅虫から折返し特急になる列車ですので、車両は特急形。新幹線が出来る前、青森〜上野間を9時間かけて連絡していた特急「はつかり」を彷彿とさせる走り・乗り味を今なお楽しませてくれます。

浅虫温泉駅で頂いたお汁粉
今回目についたのは、専用のパーカーを着た職員さんが各駅で多くみられた事、J。開業記念のイベントで、各駅で名産品の振るまい等が行われていました。
浅虫温泉駅では、青い森鉄道開業記念でお汁粉が振る舞われていたので、ご馳走になります。低気圧の強風で今にも吹雪になりそうな冷たい雨が降る中でいただくお汁粉、すごく体が温まります。