最後の恋は「草食系男子」が持ってくる(森岡正博)2011年07月05日 21:45

最後の恋は「草食系男子」が持ってくる(森岡正博)

うっわピンクかよ・・・男性はちょっと手にするのに勇気が要るなこりゃ。
「草食系男子の恋愛学」の続編です。「草食系男子の恋愛学」は、どちらかというと「苦悩する男性」向けに書かれたのに対し、この「最後・・・」はどちらかというと「戸惑う女性」を対象に書かれています。
とはいっても、どちらの性が読んでも違和感ない内容です。ていうかどちらにも読んでいただきたく、このブログで取り上げる次第です。

2009年の流行語対象の「草食系男子」。名付け主の深澤真紀の意思など関係なく、2年経った今となっては、本来の意味に基づいた定義づけが行われる事も無く、「覇気がない。エネルギーがない」と各方面から批判を浴び、挙げ句の果てには独身女性が増加する原因は、男性にアリ?といった濡れ衣まで着せられる有り様です。
そんな彼らを切り捨てるソース1ソース2流れも見られますが。定義づけさえきちんとなされていないのに全方位から恨みを買う覚えは無い。同年代の男性として、不甲斐ない自分と不誠実な周囲に対し、激しい憤りと怒り覚えます。

そんな思いもあり、いまの自分のモヤモヤした気持ちは何なんだろう?とヒモ解いて読んでみたのが本書。やはり「草食系男子」の定義は、以前より明確には定まっていなかったようです。本書においても、恋愛に「奥手」な草食系男子のことだけを考えていたのですが、いまは、それは一面的だったと反省しています(p16)と書かれております。その反省を踏まえ、本書では「草食・肉食」の分類を3分類×2択の8カテゴリに分け、各々に対する特徴づけを行っています。

草食系男子の8分類

写真でご覧のとおり、本書においては、「経験の多寡」「外面での草食度合い」「内面の草食度合い」といった3つの評価軸を持っています。写真の内容をかいつまんで表にすると・・・

外面ガイメン 内面ナイメン 経験ケイケンアタイ
草食ソウショクケイ 草食系ソウショクケイ 奥手オクテ
経験ケイケン豊富ホウフ
肉食系ニクショクケイ 肉食系ニクショクケイ 奥手オクテ
経験ケイケン豊富ホウフ
草食系ソウショクケイ 奥手オクテ
経験ケイケン豊富ホウフ
草食系ソウショクケイ 肉食ニクショクケイ 奥手オクテ
経験ケイケン豊富ホウフ
てな具合になります。

何となく構図的には分かりやすくなりましたが、やはり「草食系」「肉食系」の定義があやふやであり、いまいち頭に入ってきません。
そこで、これらの文字をより一般的な「抑制」「攻撃」(この言葉は自分が直感で思った「草食系」「肉食系」に代わるものです。違和感を感じる場合、お手数ですが各自で別の単語を想起して当て嵌めてみてください)に置換えて一般化を図ると。。。

外面ガイメン 内面ナイメン 経験ケイケンアタイ
抑制ヨクセイ 抑制ヨクセイ 経験ケイケンアタイショウ
経験ケイケンアタイダイ
攻撃コウゲキ 攻撃コウゲキ 経験ケイケンアタイショウ
経験ケイケンアタイダイ
抑制ヨクセイ 経験ケイケンアタイショウ
経験ケイケンアタイダイ
抑制ヨクセイ 攻撃コウゲキ 経験ケイケンアタイショウ
経験ケイケンアタイダイ


こんな塩梅で、見事にネジれてます。これだけで料理の仕方によっては十年間社会学とかジェンダー論とかでメシを喰ってけるくらい深そうな内容ですね。


で、自分の置かれた状況(内面は抑制的なのに頑張って婚活中、当然彼女いない歴=年齢だから経験は浅い)を当て嵌めてみると・・・ (「内面抑制的、外面攻撃的、経験値小」)なるほど内面と外面とが矛盾してます。そりゃ疲れるわ。当然経験値が小さく、経験でのフォローも期待できないから・・・これはしんどい。モチベーションを保ちながら生きているのが奇跡なくらいです。

まぁ、いろいろ有るけど、困難のモデル化の助けになった。その1点において、本書を読んでよかったと思います。


ちなみに本書の後半部分。女性が草食系男子と仲よくなる点に関する留意点が書かれています。
男性の自分が異性と接する視点で見る限り、そんな変な事が無さそうに思うのですが見方によっては「あなたは何をしてあげたの?」とか、なかなかシビアですね。
この本はamazonのレビュー数等からみても、そんなには売れてないように思うのですが、こんな「女性受けしない」内容の本なら、むべなるかな、と思います。