プレイボーイの良記事2012年07月19日 00:11

週刊プレイボーイ1993年10月5日号

ちょっとこの雑誌のことについて文章を書きたいと思い、書棚を漁っていたら出てきたのがこれ。
週刊プレイボーイ1993年10月5日号です。おねーちゃんのグラビアをはじめとして、硬軟いろいろテンコモリになっており中学生には勧めにくい男性向け週刊誌です。
なんでこんな雑誌を20年近く取ってあるか?というと、この号で「真正面から取り組む趣味講座 鉄道マニア大入門」という記事が8ページぶち抜きの記事に惹かれたこと。
そのクオリティも、世間一般が所謂「鉄道マニア」を見るような興味本位やステレオタイプな立ち位置から書かれたのではなく、「鉄道写真」「鉄道模型」「鉄道グッズ収集」の3ジャンルを柱に、嵌まっている人を真摯に捉えた、オーソドックスだけど偏見のない良記事。特集巻頭の「鉄道マニア体型」など、いまの鉄道ファンが読んでも納得のクオリティです。
決して決して若かりし頃の石田ゆり子や、若かりし頃の小松千春や、ライオンズ清原と鉄道模型が大好きなディスコお立ち台のおねいさんに惹かれた訳ではないゾ☆

かように、男性向け週刊誌ということから、グラビアや興味本位やエッチな記事のイメージがある週刊プレイボーイですが、中を見ると、案外「読み物」としても侮れない記事が網羅されています。
例えば、手持ちの93年10月5日号では、農業問題、海の砂漠化や自動車産業存亡の危機など、時事問題を一定のページ数を使って筋の通る分析を交えた「まともなスタンス」で纏めています。 いまさっきも気になる記事があり本屋でパラパラ立ち読みしていたのですが、1記事あたりのページ数は減り興味本位な姿勢で纏められた特集も複数ありましたが、上記の「まともなスタンス」はまだ十分残っている印象を受けました。


ここから話はがらっと変わります。いや見方によっては余り変わりません。
なんで唐突にこんな週刊プレイボーイの記事を載せたか?というと、週刊プレイボーイのwebサイトで注目すべき記事が載っていたから。この記事のためだけに15年振りにプレイボーイを1冊買って集英社に「お布施」したい!と思い本屋をハシゴしてました。
それがこの記事→脱原発を現実化するためにメディアが果たすべき役割 江川紹子

いまの日本において、非常に話をするのに気を遣う(端的に言うとタブー化している)原子力政策。(自分はテレビは全く見ないので)ニュースサイトを見ていると、原子力発電反対派も賛成派も、互いの言うことは聞かずにゼロか100かの争いばかり。『互いに妥協し「よりましな」「より現実的な」解決策を得る』ことを善しとする自分の姿勢からは、まるで反対の位置にある同じ穴の中で、お互いワンフレーズでドンパチやっているようにみえます。まるで「ためにする争い」。
そんな自分が感じてる「モヤモヤ」を、かなり近い表現で文章化されており、読んで思わず「スッキリ」したのがこの記事。結果的に「より脱原発」を目指すために、原発反対運動が取るべき戦略と、それを伝えるメディアの問題を明確に整理しています。
自分を含めあらゆる人が、自分のいまの振る舞いを振り返ることができる良記事であり、激しくオススメ。