「地鉄電車」訪問記(岩倉町駅・商店街編)2018年04月18日 19:47

日曜日、夫婦で都内に出かけるのに合わせ、巣鴨の「さかつうギャラリー」で展示されておりました、宮下洋一氏の「地鉄電車」のレイアウトモジュールを見に行きました。
今回は、あの有名な「岩倉町駅」モジュールが展示されております。自分も20年以上前に、「鉄道模型趣味」雑誌で初めて見て、そのあまりの作り込の細かさに驚いたものです。
そして大きい。普段弄っているNゲージの倍のHOゲージとあって、終端駅の部分でありながら非常に大きなモジュールであり、展示と運搬には相当ご苦労をされたと聞いております。

岩倉町駅、山田温泉方面乗り場。
建物は内装まで丁寧に作り込まれており、窓越しでも作り込まれた内装の様子が楽しめます。作中には、輪切りの雑貨店もあり、見ているだけで楽しめます。
雑誌で見た時もいたく感動しましたが、現物を目の当たりにすると、さらに感動。。

視線を下げてみましょう。ちょうど駅前通りから駅の方向を眺める角度です。小物類までしっかり作り込まれた駅前広場に、1体1体に物語のある人や車が配置されております。
樹木の枯れ具合や衣服の色から、レイアウトの季節は晩秋でしょうか。
光線の関係で、ちょうど長い影が伸びており、それを映す地面の表現も含め、大変印象的なワンシーンを作っています。

駅では2両編成の電車が待機中です。
鉄道模型において、当然「電車」はその主役となる重要なファクターです。
自由形の地方私鉄のそれは、建物類同様大変丁寧に作り込まれた上、色艶が抑えられた落ち着いた色に塗られており、モジュールの中に置くと見事に風景に溶け込んでいます。
鉄道模型のレイアウトでは、どうしても車両が主役となって風景から浮き出して見えるように風景を作りがちです。また見る方でも、車両と風景を別体として見てしまいがちなところ、この「地鉄電車」では、電車が完全に風景の1つに納まっています。

岩倉町駅からは、ちょうど緑一色に塗られた連接車が発車。
フラッグシップ・・・というのにはちょっと微妙に地味な造りに見えるこの連接車も、付けられたナンバーからすると、古い単車か何かを、下回りを新造して連接車に更新したような雰囲気です。
火曜に、電車1両1両にも物語が込められています。

モジュールの片隅は車庫になっております。車庫奥の職場部分は後日増設されたものです(雑誌では、職場のない車庫部分のみの写真が載っていました)。つなぎ目は全く分からず、店内の雑誌を見て初めて「増築」に気がつきました。
電車庫だけでなく、ここで電車の整備を全て行うべく、様々な職場が作り込まれています。

車庫前の風景で、特に気に入った1枚。
廃車になった古い電車の車体を再用した建物は、窓越しに見える車内のヤットコがあリ車外には溶接用のボンベが転がっていたりすることから、金物職場でしょうか。
弛んで若干下に反った車体、建物前の植木鉢と水差し、雨が落ちて土色に「枯れ」つつある車体の塗装等、窓越しに見える内装等、自然に還りつつある「電車」が、素晴らしい出来です。
奥の住宅も、洗濯物のシャツやステテコの洗濯物まで再現されております。洗濯物のかかった住宅の写真を改めてみてみますと、ちょっと小さく見えます。奥行きの表現のために、わざと若干小さめに作られているのでしょうか?

同じ展示で、本線の併用軌道のモジュールもありますので、見てみましょう。
先ほどの岩倉町駅に比べて派手めな看板が並ぶ線路ぎわの商店街は、本線の線路を跨いででないと出入り出来ません。
今では、熊本電鉄の「長い踏切」でしか見かけなくなった風景ですが、昔の私鉄沿線では、そういう箇所が多くみられたのかもしれません。

沿道には、粉ミルクの看板が目立つ薬局もあり、お馴染みのカエルの置物も鎮座。
ガラス越しの見える店内の作りこみもさることながら、店頭のカエルの置物は「一番力を入れた」とのこと。

雑誌で見て息を呑んだ宮下洋一氏の「地鉄電車」。
実際に現物を目の当たりにして感じたのが、レイアウトモジュールの作り込みの素晴らしさもさることながら「電車と風景の一体感」。電車から建物、樹木、地面まで、照明の光でできる影までが一体に組み合わされて「地鉄電車」の空気を作っています。
雑誌とかで知った「精巧な工作」を、これまた精緻に計算して組み合わせてつくりあげた作品なのに、出来上がりはどこか文学的な柔らかい空気を作り上げている。
なんとも不思議なモジュール「訪問」になりました。

30年ぶりの下館ラーメン・盛昭軒の中華そば2018年04月21日 16:17

茨城時代、実家と下館の街を結んでいたバスや送迎の車の中からよく見かけたお店です。
車の中で見かけた限りは、やっているのか店を閉めてしまったのか正直よく分からないお店でしたが、今になって茨城のご当地ラーメンの一つ「下館ラーメン」の暖簾元として、少しずつ有名になりつつあります。
テレビでも話題になったこともあり、せっかくだから食べてみようと、実家に用がある行きに立ち寄り、ワンタン麺大盛を注文。
昔ながらの煮干しや鳥を使ったあっさり味のスープといい、よく伸びる細い縮れ麺と言い、ラーメンというより昔ながらの中華そばのような味わいです。
昔、ラーメンというとこういう醤油ラーメンしかなく、違ったものといってもタンメンしかなかった時代の味わいです。
ワンタンは雲を呑むようにツルツル入り、特徴の鶏チャーシューも鶏の味がして、麺が伸びる前に美味しく完食。
海苔はもう少し大きい方が好みですが、メンマやナルトが厚切りなのは嬉しかったです。
ノスタルジックというか、例えば札幌風味噌ラーメン等もっと味にパンチのあるラーメンに食指が動き、中華そばというものがそのまま懐かしい存在になってしまった、そんな感想を抱きました。

下館レイル倶楽部運転会(2018年4月)2018年04月22日 15:01

21日・22日は、久しぶりに下館レイル倶楽部の運転会に行ってきました。


写真は模様替えが完了した下館駅ですが、今回は持ち込み機材が多いのと実家への荷物運搬の用事を兼ねたため、自動車で茨城入りをしました。

今回はTNOSのシステムを組み込ませていただき、自動での追い越し運転ができるか試してみました。
その結果、設定なしで動く動力ユニットに限りがある(鉄道コレクション動力、GMツインモーター動力のみ)、動力車の位置に制約がある(前の方に持ってこないと、給電と閉塞の都合で走らない)、動力車の整備が必要、と思ったより使いにくいことが判明しました。 そこで、今回は専ら写真のTJライナーと東武30000系とで緩急通過運転を楽しみました。
展示運転の際には、自動運転よりもストラクチャーを充実させた方が良いかもしれません。
以下、メンバーの車両です。

こちらは戦時中の貨物列車。
D52戦時型も、手すりが少なく必要最小限の工作で作られた機関車であることが分かります。

メンバー手製の高架線モジュールを走る東海道新幹線。
ブレてしまっていますが、700系新幹線の疾走する様子が、実車に貼られたステッカーのようです。


こちらはHOゲージ。ロッド式の関東鉄道DD502が牽く常総線の工事列車です。
蒸気機関車とはまた異なる、ロッドの動きが特徴です。

こちらは、C12が牽く戦災復旧の70系客車と木造車の車体載せ替えで作った60系客車です。
機関車をC58に変えると、水戸線電化前の客車列車になります。

今回の運転会では動画も撮ってみました。

冬から春にかけて仕事の関係で来れず、久しぶりのフル参戦となりましたが、大変有意義で楽しい運転会になりました。またよろしくお願いいたします。


日本帝國鐵道(AINETOS様)へのリンクを設置しました。

上野口115系補完計画('18)03-クハ115-300方向転換と車体下々塗り2018年04月28日 23:59

ゴールデンウィークに突入しました。
いつもの土曜日と同じく、家事の合間をみて工作です。

115系Y1042編成(クハ115-340+モハ114-1042+モハ115-1011+クハ115-1512の4両編成)の工作の続きです。
クハ115-340ですが、最初は横須賀色のクハを塗り替える予定でしたが全然塗装がおちず。考えた結果、部品取りに買った湘南色クハを塗り替えて充てることにしました。
ジャンパ栓受けを削り、奇数向きクハを偶数向きに方転。
合わせて方向幕蓋をくり抜いて幕装備時代に加工します。この工作は前作と同じです。

その後、IPAに浸けて塗料落とし。
クハの黄かん色も無事に落ちてくれました。

真夜中に目が醒めたので、塗装の下々塗り。

車体は下塗りのベースホワイト、金属パーツ(ルーバー・方向幕Hゴム)はメタルプライマーを塗布。
1番塗装を乾燥させて、車体の仕上げ漏らしを確認しつつ、金属パーツを接着していきます。

上野口115系補完計画('18)04-下塗り後の車体ディティール付け2018年04月29日 23:59

休み2日目は、昼寝をしながら、金属部品のルーバーと方向幕の取り付け。
はみ出さないように(既に方向幕ははみ出している・・・)エポキシ系接着剤を塗り、部品を置いていきます。
接着剤が半乾きの頃を見計らって、少しずつずらして雑誌の写真を元にルーバーの位置を確認し、微妙な位置決めをします。

金属部品を接着したら、車体の傷や仕上げ漏らしを紙やすりで削って平らに補修します。
合わせて、クハ115-1512の前面に、KE76ジャンパ栓受けを削って付け直します(KATOの旧製品は、何故かKE70+KE76*2の構成です)。今回はGMのバルクパーツから3連になっているジャンパ栓受けを接着。いい時代になったものです。。。

クハ115-1512にはトイレは付いておらず、トイレ用水タンクが付いている床下はどうしたものか悩んでいましたが、ニッパーでパチパチ切断したら難なく除去できました。
屋根の工作が追いついていませんが、このペースなら連休後半には車体の塗装が出来そうです。