東伊豆汽車旅(予告)2014年09月05日 04:42

これから年1回のお楽しみ、夏の汽車旅です。
今回の目的は予告通り東伊豆。例年に比べてやや縮小気味ですが、初めての伊豆急完乗です。

出発は写真の通りいつもの宇都宮線…もとい、何故か宇都宮発の始発です。実は振替休暇を取ったものの、仕事が片付かず徹夜からの直行、我ながらかなり無茶です。

それでは、逝ってきまつ。

夏の終わりの東伊豆汽車旅(1日目その1)50周年の新幹線2014年09月06日 23:59


前の日の職場での完徹から始まった今回の旅行。始発の東北線で東京に出てから、東海道新幹線に乗り換えます。
ちょうど今年は新幹線開業50周年でもあり、少しでいいから新幹線に乗ってみたい、という気持ちもありましたので、ちょうど良い機会です。

今回乗ったのは、写真左側の700系新幹線。登場当時はカモノハシ風のユーモラスなデザインで一目を引いたこの車両ですが、登場してから15年が経ち、初期車が次々と引退しつつあります。登場当時の「のぞみ」からは既に引退し、「ひかり」「こだま」で使用されています。
そういえば、700系新幹線の車体横に大書された「AMBITIOUS JAPAN」キャンペーンが全国でブームを巻き起こしたのも、つい昨日の出来事のような感覚でいましたが、もう10年前の出来事です。

新幹線の導入に尽力した十河国鉄総裁のレリーフに見送られながら発車する「のぞみ」を見送ってから、小走りで隣のホームに向かい「こだま」に乗車。
乗った車両は15号車の喫煙車。昔は車内でタバコを吸えるのが当たり前だったのですが、時代の流れにより、今では東海道新幹線と夜行列車以外は全面禁煙になっています。普段タバコを吸う習慣はないですが、今回はわざわざタバコとライターを購入、新幹線開業当時を少し思いながら「吸い鉄」を堪能します。
いろいろと体に悪いですし、車内はヤニ臭いですが、昔はこれが当たり前だったのでしょうか?

車内にも東海道新幹線開業50周年記念のステッカーが貼ってありました。

新幹線は別料金がかかるので、伊豆急乗り換えの熱海ではなくその手前の小田原で乗り換え。ここからは東海道線の鈍行でも、最初に決めた待ち合わせ時間に十分間に合います。
相模灘の海を見ながらのんびり熱海入りしました。

【おまけ】
今回伊豆方面に行くのに使った「南伊豆フリー乗車券」は、東海道新幹線はほとんど使えず、その分は乗車券を別途で購入するようになっています。別の会社が企画したきっぷであり、JR同士の連携の悪さも仕方が無いとは思うのですが。
何故か「東京−品川」は南伊豆フリー乗車券の乗車券分が有効になっています。些末なことに拘るマニアの本能を出し、写真のような切符の買い方(新幹線特急券は東京-小田原、乗車券は品川-小田原を購入)したら、ちゃんと改札を通りました。

利用者の立場に立てばあまり意味も無く、JR2社の立場に立てば取り扱いが煩雑になるだけの、誰も得をしない謎制度ですが、何かあったのでしょうか。

夏の終わりの東伊豆汽車旅(1日目その2)伊豆急のリゾート列車2014年09月07日 23:59



熱海で伊豆半島東岸を走る伊東線に乗り換えです。ホームに入ってきたのは。。。
伊豆急行自慢の観光電車「リゾート21」です。普通電車でありながら展望席があったり座席が海側を向いていたりとたいへん豪華な電車です。デビューから28年、今回の初乗車に期待が高まります。

有り難いことに先頭車両の展望席に座る事ができました。
階段状に6列ほどある展望席の真ん中ほどの座席を確保。運転席との仕切りが無い展望席が、大変開放的で気持ちいいです。
でも、ここまで開放的ですと、運転手も後ろが気になってようで少し大変だな、と思います。

伊東までのJR伊東線は展望席を堪能し、山がちの路線を走る伊豆急行はトンネルばかりになるだろうと思い、車内中ほどの座席に移動。
やはり圧巻なのは、海側を向いて3列並んでいる座席と、映画のフィルムのような連続窓とで、海景色が眺められるようになっています。座席もソファのような沈み込む贅沢な座り心地で、観光列車としては申し分無い造りです。
山側の一人がけクロスシートも、両側に肘掛けがあり、安楽椅子のような座り心地です。山側というと「ハズレ」っぽい感もありますが、海側の窓が非常に大きく、山側席からも海側の景色がしっかり見られます。

あと、日本の電車では珍しい、丸みの強い中折れ式の窓や、上に向かって窄まる側面、日本離れしたゆったりした座席など、山側席ではイタリアあたりの特急電車のような「異国感」も味わえるような気がします。

伊豆高原で下車し、妻家族と合流。
1日海に潜って遊んだ後、伊豆急下田まで普通電車に乗ります。
電車は東急の中古の普通電車ですが、車内は海側がクロスシートに改装されており観光列車として十分な内装を備えています。

山側は東急時代のラクダ色のロングシートがそのまま存置されていますが、通勤輸送と海が見えるようになっています。
海側は、窓2個に対しボックスシートが2組並んでいますが、もともとの造りが通勤電車の関係で、窓と座席が微妙に合っていません。4扉の通勤電車が地方に売却され観光改造された良い例、と思っていましたが、実際に実車を見てみると・・・窓から外の見えなさがちょっと微妙です。

昨日から今日の疲れがどっと出て、行きの電車は伊豆高原から伊豆急下田までほとんど寝てました。

夏の終わりの東伊豆汽車旅(2日目その1)五島慶太は伊豆とともに生きている2014年09月12日 23:20


まずは泥酔鉄道的下田名物、インパクトに満ちる伊豆急行記念碑から。

せっかくの家族旅行ですので、この日の宿は下田のホテル伊豆急を奮発しました。
一日中海で遊んでいた3人とは別に、一人下田観光をしていた義父とホテルで合流し、美味しい夕食。
夕食中に昨日今日の疲れが押し寄せ、耐えられなくなるくらい眠くなってしまい、残念でしたが、今日の母娘ダイビングの始終を録画したスマホを妻家族3人に渡して早々に就寝。。。

翌朝、寝入りが早すぎたので、夜明け前にスッキリ目覚め。昨晩呑むつもりで買い置きしていた大人の一杯を朝からいただき、その足でホテルの露天風呂に移動。

誰もいない。( ゚∀゚)o彡°するならイマノウチ。。。


ありがたく一番風呂を戴きながら、伊豆の日の出を堪能しました。

バイキングの美味しい朝食をいただき、2泊3日の伊豆旅行を堪能した義父母を見送ってから、今回お世話になったホテル伊豆急を海水浴場からパシャリ。

ホテル伊豆急の目の前にある下田白浜海水浴場から海を見ます。海水浴シーズンが終わり、サーファーの天下ですが、注目したいのは海の色。
青とも緑ともとれる、とても鮮やかな青緑色、伊豆急の電車がごく薄い青緑色(オーシャングリーン)とコバルト色(ハワイアンブルー)のツートンになったのも分かります。

それからホテルのプールで午後まで泳いで、下田の町並みに出ます。
電車が出るまで2時間、中途半端に時間がありますので、寝姿山ロープウェイに乗り、下田の街廻りを上から眺めることにしました。
寝姿山からは、狭いところにひしめく下田の町並みと伊豆急下田の駅が一望できます。

反対は下田湾が一望できます。ペリーが黒船に乗って下田に来たのは、湾の右手方向です。遠くには伊豆七島まで見えます。

で、伊豆急下田駅を見渡せるあたりに、最初の写真に掲げた「五島慶太は伊豆とともに生きている」の記念碑。

かなり言い切った表現がインパクトあります。

鉄道が公共財の性質を強く帯びたいまではなかなか考えにくいですが、一民間企業が夢と野望とをもって40キロにもわたる伊豆急行を作りきった「漢のロマン」とそれに応じた地元の気持とを雄弁に語っています。

夏の終わりの東伊豆汽車旅(2日目その2)スーパービュー踊り子2014年09月13日 10:00


一泊二日の伊豆旅行も終わり。列車に乗ったり海に行ったり、やはり慌ただしかった旅行ですが、今回の旅行は最後まで濃ゆい列車旅で行きます。

写真の「スーパービュー踊り子」の、男の子なら誰もが憧れる「展望席」を取る事ができました。
スーパービュー踊り子は、「乗ったらそこは伊豆」をテーマに、平成2年から製造された特急列車で、登場してからずっと「スーパービュー踊り子」を中心に使用されており、東海道本線東京口のフラッグシップとして20年以上君臨してきました。
車内も、高床式構造(一部2階建)と広い窓で構成となっており、グリーン車は専用のラウンジ・カウンターがあったり、観光利用に特化した造りとなっています。

一度は乗ってみたい憧れの列車でしたが、伊豆方面に遊びに行く機会が無かったこと、他よりも高額なA特急料金が必要になることから、いままで乗る縁が無かった列車でもありました。

午後4時、満を持して伊豆急下田駅から乗車。

伊豆急下田駅のホームには、伊豆急行全線開業のモニュメントとして、ガラス製のレリーフと車輪が置いてあります。
この車輪は、開業当初から使用された100系電車のそれですが、歯車つきの車輪が電車由来の品物であることを物語っています。

上り列車の先頭車、10号車に行きます。
ここはデビュー当初は4人がけのコンパートメントボックスシートでしたが、2002年の内装改良で、他の特急列車でもよく使われるリクライニングシートに改装されました。

その他、スーパービュー踊り子で特筆される設備が、この「子供室」です。
10号車の1回部分にあり、子供を遊ばせたり授乳等に使える個室が設けられています。色も子供が楽しい原色仕立て。
スーパービュー踊り子の場合、2階席があり車内に余裕があることもあり、このような設備が設けられています。ここを利用するお客様が来ないうちに写真だけ取って退散したので、誰も使っていないような雰囲気ですが、ぐずる子供をここであやしたり、様々な目的でここが使われていました。
日本の列車では、あまりこのような「子供室」は普及していません(子供を遊ばせられるスペース、としては、500系新幹線のお子様向け運転台、くらいでしょうか)。

以下は子育てをしていない個人的な感想にすぎない、「子供を育てる」ことがより楽しく、また子育てで感じる苦痛(公共の乗り物ですと、いろんなお客様がいますので。。。)を少しでも減らせるように、さらに子育て世代の移動を自動車から転移させモーダルシフトを促す意味でも、このような「遊ばせられる場所」をもっと多くの列車や車両に設けた方が良いのではないか?と思います(ここまで大きく立派でないものでも良いので)。
また、そのような「遊ばせられる場所」の整備に取り組む運輸業者へのインセンティブとして、「遊ばせられる場所」への固定資産税等の課税を減免したり、その場合でも子供の利用が少ない通勤ライナー等にに充てる場合の一般座席転用や「多目的室」としての利用を認めたりして「使える」制度にしたり、など行政的な支援もあわせて考えられます。

なんだか難しいことを考えていたら頭痛が痛くなってきましたので、かんぱ〜い♪
帰りの電車でも飲んだくれていました。足下のスーパー袋に入った「おかわり」がそれを物語っています。

スーパービューは夕暮れ時間帯の薄暗い東海岸の海を、なだめるように寄り添いながら走って行きます。
3時間経ち、東京に着く頃にはすっかり夜になっていました。それも暑さを感じない、秋を思わせる夜の空気です。

こうして、自分にとって、今年の「夏」は終わりました。

一人暮らしが長いので、もうしばらく家族旅行に行っていない(実実家との家族旅行に前に行ったのは10年以上前。。。)のですが、改めて妻実家と家族旅行をすることで、今回の旅行は、みんな元気なうちに家族の絆をつくる、一つの財産になったような気がします。