今回の旅行では、阪和線で和歌山まで下り、そのあと、和歌山と南海和歌山市を結ぶ紀勢線の枝線に乗ってから奈良まで和歌山線で戻り、そのあと神戸に行き和田岬線線に乗る予定を立てていました。

一応「JR全線完乗」を意識して、方面別に鉄道路線を完乗したいと思っております。これらの路線はなかなか旅行の通り道にならず、意識して乗らないと乗る機会が無さそうなところ、いずれの路線も103系とその改造車が使用されていることから、今回一気に乗ってしまうことにしました。

途中で、一昨年全線乗った阪和線で下るのも芸が無いと思い、タクシーに乗って（鳳以南だと和歌山まで両路線を連結している路線が無い。バス路線を調べるのも面倒）和泉府中から南海泉大津まで移動。タクシーは２０分以上かかり、1200円でした。

南海線は阪和線と異なり、和歌山まで海沿いを走ります。関西空港最寄りの泉佐野を過ぎると、低い住宅の向こうに海が広がる車窓になり、駅や線路まわりも潮風を浴びて若干鄙びたようになってくるのが大変興味深いです。

終点和歌山の手前で紀ノ川を渡りますが、この鉄橋が古い。

模型やプラレールでお馴染の鉄を三角形に組んだトラス橋ですが、部材が大変華奢で細いことに加え、トラス橋の教科書通り三角形の接点は回転できる構造になっています（トラス橋は、原理的に部材に曲げの力がかからないよう三角形の接点は回転できるようになった構造です）。

なんだこの橋？と思って、思いのほか時間の余った和歌山駅から歩いて尋ねてみて外見を再確認。

煉瓦積みの橋脚から分かるように、なるほどこれは大変古い橋です。

帰宅してから調べたのですが、写真下手前の上り線側は明治36年に作られた橋が110年以上経った現在も現役で使われており、奥の下り線側も大正時代の橋とのこと。

今回和歌山駅市では１時間近い時間が余ってしまいましたが、「和歌山で１時間観光」と言われても見て回りたいところがパッと思い浮かばず、ようやく自分の専門であった土木構造物を「発見」、これを見て時間を潰しました。

鉄道好きで日本各地に出かけており、「旅行好き」の自覚はありましたが、果たして自分は電車の尻を追いかける以外、どの程度「観光」をしてきたのか、観光地を位置ゲームのように周り潰すのではなく、どのくらい「理解」した上で観光を「味わった」していたのか自信がなくなり、果たして自分の旅行は何だったの？と考え込んだ１時間でした。

南海和歌山市駅。

起点の難波駅も立派な駅ですが、こちらもビルディングや商店街になっている立派な駅です。しかし、和歌山市駅前は市街地の中心から離れているせいか、駅前の歓迎のアーケードがあるだけで人通りも少なく、駅中も駅前商店街も活気は少なそうでした。

和歌山線は、紀ノ川に沿って和歌山から真北に上がる路線で、乗り換え駅の高田まで２時間。

揺れもあって、その大部分を気持ちよく寝て過ごしました。昼寝にもってこいの路線です。乗り換えもあり、和歌山線の終点、王寺に到着。これで王寺→天王寺→和歌山→王寺と、1日で一周したことになります。

そのまま東海道線と和田岬線に乗り、午後６時に家族と待ち合わせしていた神戸に到着。

中華街の南京町を見て歩きます。横浜のそれと異なり出店が多く店を出しており、それが安い。

次神戸に来る時は、ここの出店で何かつまみたいところです。

最後、神戸市役所に登り、六甲山や人工島のポートアイランドの夜景を見て大阪に戻りました。

昨日今日と歩いた距離は各3万歩。本当によく体も脳味噌も使う旅行になりました。