ヨーロッパを夢見て13-ベルリンへの途(9月28日AM)2023年10月01日 20:40


ドイツの地図
いよいよドイツ旅行も後半戦。今日はケルンからベルリンへ高速列車ICEで飛びます。しかし乗る予定だったケルン8時44分発のICE757便が運休とのこと。以降の列車も運休が目立ち、さすが遅延運休上等とネットで陰口を叩かれるDBクオリティ炸裂っといった感じですが、気を取り直して列車を前倒し再検索し、ケルン8時28分発のICE545便に乗車することにしました。
8時10分ごろホームに入ると、列車は既にホームに入っており、乗客が続々と乗車しています。これは大変と自分たちも列車に乗り込み、予約が取られていない座席をチェック。6割方の座席は予約が取られていましたが、幸いテーブル席の進行方向向きで予約が取られていない座席を発見しましたので、そこに陣取ります。

今朝泊まったホテルは朝食が別料金だったため、朝食はホテルでは摂らず駅ナカで買ってきたものを車内で摂ることにしました。
写真は朝食
なんか写真手前に変なものが2本Prosit!してますがそこは気にせず、気になったのは写真奥中央にある「おにぎり」。ヨーロッパにもコンビニおにぎりがあるんだと感心して一口頂いたら、中身は酢飯で具がなくしかもライスケーキというのか米粒がない割に硬めに炊かれた、日本のコンビニおにぎりとは似ても似つかない代物。いい経験になりました。

列車は予定では8時28分にケルンを出発し、13時15分にベルリンに到着する5時間にも及ぶ長丁場です。
乗車2時間くらいしたら退屈してきましたので、途中食堂車に行き売店に立ち寄ってきました。
写真は食堂車の売店の状況
本当はこの列車の食堂車で昼食と洒落込みたかったのですが、朝食が遅くしかも車内で動いていないことからお腹が空かなかったので食堂車での昼食は断念。売店でコーヒーを買ってきました。Sサイズですが結構量が多かった模様です。
写真は食堂車で買ってきたコーヒー

途中、列車は順調(?)に遅れ、ドイツ全土を横断してベルリン中央駅に到着したのは約50分遅れの午後2時頃。約6時間近く、新幹線でいえば東京〜博多間を旅し切ったのでさすがに疲れました。
写真はベルリン中央駅に到着したICE545列車

ベルリン中央駅は、東西ドイツが統合した後の2004年に旧レアター駅を改装して開業した新しい駅で、駅の開業に合わせて東西方向の路線だけでなく南北方向の地下新線も設けられて名実ともにベルリンの中央駅となったものです。
写真はベルリン中央駅に停まる列車
駅はガラス張りのトレインシェッドが設けられており、少し懐かしいながらも大変モダンな外観になっております。
写真はベルリン中央駅の外観

今回の宿はここから北に向かった、旧西ベルリン領のゲズントブルンネン駅近くに取りましたので、地下の新線に乗って移動します。
列車は旧東西ベルリン境界の再開発地区を横断するように走ります。途中Sバーン?Uバーン?の延長工事も行われており、新しい線路が引かれている箇所も見られました。
写真はベルリン都市鉄道のSバーンの延長工事
そんな訳でベルリン北の玄関口ゲズントブルンネン駅に到着。ここは南北地下線を走るICEの終着駅にもなっており、客扱いをしないICEが出入りしておりました。
写真はベルリンゲズントブルンネン駅

ヨーロッパを夢見て14-ベルリンの鉄道2023(9月28日PM)2023年10月02日 20:56

ベルリン市内は公共交通が充実しており、都市鉄道のSバーンや地下鉄のUバーンさらには旧東ベルリン領域の路面電車とがあります。
写真はベルリンSバーンで、架線が無いのは地下鉄と同じく第三軌条から集電しているためです。
写真はベルリンSバーン
こちらは黄色い車体が特徴のベルリンUバーン、地下鉄ですが郊外は高架を走ります。
写真はベルリンUバーン
コンテナのような旧東ドイツ製の武骨なG型電車も、まとまった数が残っており、U2系統を中心に走っております。直流モーターのシンプルな電車ですが、加減速性能は最新型に劣りません。
写真は旧東ドイツ製のG型電車

こちらは現役を引退した保存車。
写真はベルリンSバーンの485型電車
まずは1世代前のベルリンSバーンの主役だった485型電車。G型電車にも共通する、旧東ドイツ製の武骨ながらも洗練された外観が共通です。現在はベルリン技術博物館に1両が保存。これが博物館に納まる時代になってしまいました。
写真はハンブルグSバーンの481型電車
こちらはベージュと青の塗り分けが特徴のハンブルグSバーンの電車。ベルリンSバーンよりも後に製造されており、若干規格も大型化されております。

写真はベルリンSバーンの476型電車
こちらは2世代前のベルリンSバーンの主役だった486型電車。半鋼製の吊掛駆動の電車で、戦前から21世紀に入るまでベルリン市内を縦横無尽に走り回っていました。前回(1997年)にベルリンに来たとき、これに乗って東西線を何度も行き来し、東ベルリンと西ベルリン、そして荒廃した「壁」の跡を何度も往復しました。

最後にベルリン中央駅に立ち寄ります。ちょうどハンガリー、オーストリア、ポーランドに向かう夜行列車ユーロナイトの発車シーンを見かけましたので確認。
写真はユーロナイトの到着シーン
編成は3カ国の客車からなる大変カラフルな列車で、しかも食堂車こそ無いものの1等車・2等車・寝台車がいろいろ連結された、日本では40年前に無くなった夜行急行みたいな編成です。
ヨーロッパではオーストリアを中心に夜行列車が見直されつつありますが、それと古い時代から続く客車列車とが混ざったカオスな列車。まさか今回の旅行でこれが見れるとは思いませんでした。
写真は夜行列車の検札シーン

ヨーロッパを夢見て15-ベルリン市内観光(9月27日PM〜9月28日)2023年10月03日 19:07

ブログを更新している今日は1990年10月3日の東西ドイツ再統一から33年の記念日です。この記念日に記事を書くのも、何かの縁かもしれません。

ベルリン市内観光です。今回はベルリンは初めて訪れる妻の希望もあり1日半と多く時間を取りましたが、結果から言うとそれでも時間が足りませんでした。
まずは夕暮れのブランデンブルグ門を訪れます。ここはベルリンのシンボル・ベルリンの正門とも言われる名所です。ただ残念だったのは、表正面(東側)の写真を撮ろうとすると、夕日に照らされて逆光になること。訪れるのならば朝〜昼の時間がおすすめです。
写真はブランデンブルグ門

次に子供のイラストが可愛らしいアンペルマンショップに立ち寄ります。アンペルマンは東ドイツの信号機の「進め・止まれ」に使われている男の子のことで、可愛らしいことや信号機の視認性も良い(子供は大人に比べて背が低くずんぐりしていることから青・赤の光の透過面積も大きい)ことから、東西ドイツが統合されても旧東ドイツのみならず旧西ドイツにも広がりつつあります。ちなみにアンペルフラウ(女の子)バージョンもあるとか。
写真はアンペルマンショップ

そのまま荘厳な建物が並ぶウンター・デン・リンデン(菩提樹通り)を歩き、大きなドームが特徴のベルリン大聖堂を歩きながら見ます。
写真はウンター・デン・リンデンとベルリン大聖堂
また、近くにある市庁舎(赤の市庁舎)まで歩きます。ここは赤い煉瓦造りの市庁舎で、1880年代から第二次世界大戦を通じて現在までベルリンの市政を担っています。6時閉館に間に合うよう5時45分に訪れたのですが、時間が遅く入館は叶いませんでした。
写真は赤の市庁舎
近くにあるDDRミュージアム(ドイツ民主共和国博物館)を訪れます。ここは旧東ドイツの政治・産業・生活の記録を遺した場所で、今回のドイツ旅行で一番訪れてみたかった場所です。
写真はDDRミュージアムの外観
展示ではソビエトのブレジネフ書記長と東ドイツのホーネッカー書記長とのキスの写真、市民の生活ではトラバント601の実車展示とアルコールの消費が爆増して行ったのが印象的でした。
写真はブレジネフとホーネッカーのキスの写真

明けで28日は前回のドイツ旅行では叶わなかたザクセンハウゼン強制収容所を訪れました。
写真はザクセンハウゼン強制収用所の門
収容所の紹介は各種メディアに譲りますが、ここへはSバーンのオラニエンブルグ行き(20分に1本)で行き、さらに20分歩くか1時間弱に1本(804番・821番)のバスに乗ってMemorialで降りるかで行くことができます。
ベルリンから遠い場所にはありますが、憎悪がもたらす結末のメモリアルとして、機会があれば一度訪れてみることをお勧めします。
写真は収容所の建物

28日の午前中一杯かけてザクセンハウゼン強制収容所を見学し、昼になったのでベルリンに戻り、Uバーン高架下のコノプケインビス(軽食堂)でベルリン名物のカレーブルストで軽い昼食。かけられたケチャップの味が深くて美味しかったです。
写真は高架下のコノプケインビスとカリーブルスト

その足でドイツ技術博物館へ。ベルリン封鎖で孤立した西ベルリンへ食糧・資材を運んだC-47(DC-3)飛行機が屋根に鎮座する博物館です。博物館の展示は技術・化学・運輸・機械と多岐に渡り、1日あっても時間を潰せます。
写真はドイツ技術博物館のDC-3

最後はベルリンに残る戦争遺産をいくつか見学しました。
まず西ベルリンのZoo駅前にあるカイザー・ヴィルヘルム記念教会を訪れます。ここはネオロマネスク様式の高い塔を持つ教会でしたが、第二次世界大戦で高い塔が折れ、そのままは再建されず隣に新教会が建てられた戦争遺産です。
写真はカイザー・ヴィルヘルム記念教会の旧教会

次にドイツ帝国鉄道ベルリン・アンハルター駅を見学。ここは前回のベルリン訪問でも訪れた場所で、戦争で破壊された後再建されずに放棄された駅の正面部分の遺構です。駅のホーム部分は公園に再整備されていました。
写真はベルリン・アンハルター駅の跡
最後にベルリンの東西分断時代に建てられたチェックポイント・チャーリーを訪れました。
写真はチェックポイント・チャーリー検問所
ここは旧西ドイツ関係者が、旧西ベルリンと旧東ベルリンとを行き来できる検問所で、東西統一後の今は観光名所として整備されている場所です。

日が暮れたので夕食です。夕食はフリードリヒ通り駅近くの鉄道高架下にあるお店でいただきました。高架橋の雰囲気といい、お店の雰囲気といい、日本の新橋に舞い戻ってきたかのよう(新橋がベルリンを参考にして建設された)です。
写真は高架下の店

ヨーロッパを夢見て16-大学都市カッセル(9月29日)2023年10月04日 19:45

ドイツの地図
さて、楽しかった旅行もあと1日。旅行最終日は何かあっても対応できるようフランクフルトに戻っていたいため、ベルリンから1日かけてフランクフルトに戻ってきておくことにしました。
ベルリンからハノーファーで乗り換え、途中のカッセルで行きたい店があるので途中下車、そのあとフランクフルトへ戻る、といった行程です。
ベルリンからのICEは全席予約で一杯とのことで、デッキにキャリーケースを置き、その上に座る簡易椅子をでっち上げてしばらく時間を潰します(その後車掌さんが来て、予約だけで乗客が来なかった席に案内してもらいました)。
写真はデッキに居座る自分達

ハノーファーで次に来たICEに乗り、カッセルに向かいます。
写真はICE-T
カッセルに着いたら、路面電車(切符の買い方が分からず困惑しました)に乗り換えてお店のあるカッセル大学へ。しかしホテルでの朝食を食べ過ぎたせいでお腹が一杯、目当てにしていた朝食プレートは諦め、ビールを頼んで乾杯しました。
写真はビールで乾杯

一杯引っかけたらカッセル市庁舎に向けて散歩です。カッセルでも、東ドイツ名物のアンペルマンを発見!
写真はカッセルのアンペルマン
カッセル市街地の中心はトランジットモール(交通機関のみが乗り入れられる歩行者天国)になっており、賑わう中心市街地の中を路面電車が走って行きます。
写真はカッセルのトランジットモール
市街地を歩いて1kmほど。堂々としたカッセル市庁舎を見かけましたので1枚記念写真。
写真はカッセル市庁舎
カッセル市庁舎前のトランジットモールを、路面電車とドイツ鉄道乗り入れ可能なプレメトロが行き来します。
写真はカッセル市庁舎前を発着する路面電車とプレメトロ

ここからフランクフルトに戻りますが、路線網の関係からか、超特急のICEと快速列車のREとの時間差があまりなく、ICEはどの列車も混んでいたため、ギーセン経由の快速列車でフランクフルトに戻ることにしました。
車内は混んでいましたが、席を確保し快適にフランクフルトに戻ることにしました
写真はフランクフルトに到着した快速列車

ヨーロッパを夢見て17-再びフランクフルト、そして帰国(9月29〜30日)2023年10月05日 18:47

帰国前夜、フランクフルトに戻ってきました。
夕食はレーマー広場近くのレストランへ。ここは予約がお勧めとガイドブックに書いてあった店で、しかも今日行ったら外装工事中で、入れるか分からなかったですが、訊いてみたところありがたい事に予約無しでも店に入れました。
写真はレーマー広場近くのレストランの入口
旅行最後の夜、旅行の完遂を祝ってProsit!
写真は旅行最後の夜、レストランで乾杯

ご飯を食べて夜のレーマー広場の夜景を堪能。木組みの家に生える外観がロマンチックです。
写真は夜のレーマー広場
金曜の夜とあって、屋台は大賑わい。美味しそうな匂いも相まって幸せそうな街並みが続いています。
写真はフランクフルト市内の夜の屋台街

明けて30日、帰国の日です。
帰国便の集合時間(離陸2時間前)まで2時間程度の時間があるため、名残惜しさを紛らわすのも兼ねてもう一度レーマー広場へ。帰国前に最後の木組みの街並みを堪能してきました。さすがに朝からProsit!している人は見かけなかったです(汗
写真は朝のレーマー広場
そのまま朝のクラインマルクトハレ(市場)を再訪。
市場は朝なので買い物客で賑わっておりました。いろいろ興味引かれるものがあったのですが、ホテルで朝食を腹一杯いただいたので、市場では何も買わずに撤収。
写真はクランマルクトハレの賑わっている市場

時間になりましたのでフランクフルト国際空港にSバーンで移動。フランクフルト空港駅から第2ターミナルまではシャトルバスに乗るよう案内されておりますので、それに従いシャトルバスに乗車します。
写真はフランクフルト空港シャトルバス
第2ターミナルに入り、免税店とかお店とかをすっ飛ばしていそいそとチェックイン・出国手続き・保安検査を進めてゲートへ進むと、待合室には売店1個しかありません。出国・保安検査を済ませてから搭乗前の店があって、そこで最後にProsit!しようと思っていろいろ我慢していたのですが、これにはびっくり&がっかりです。
写真はフランクフルト空港第2ターミナルビル

寂しい思いで搭乗時間までまち、現地時間で13時50分(日本時間で20時50分)、帰りのベトナム航空36便ハノイ行きに搭乗、機内にて最後のProsit!を、空港価格の激高アルコールで執行しました。
写真は帰りの飛行機で最後の乾杯の様子
時計を日本時間に合わせて日本の就寝タイミングで寝るよう努め、12時間近くのフライト時間の大部分を寝て過ごしました。
目が醒めてちょうど良いタイミングで朝食の機内食が出てきましたので、美味しくいただきます。
写真は朝食の機内食

日本時間で午前7時前にハノイ・ノイバイ空港に着陸、2時間近くある乗り換え時間でベトナムコーヒーとチキンバインミーを堪能・・・は良かったのですが、バインミーを半分食べて残りは帰国してからゆっくり食べようと持ち帰ったところ、日本国内の肉類持ち込み禁止規制のことをすっかり忘れており、帰りの羽田空港でボッシュートされてしまいました。。。
写真は本場のバインミー

フランクフルトからの飛行機と同じ機体になったハノイから羽田へのフライトも無事終了。日本時間の午後3時前に羽田空港に戻ってきました。
写真は日本帰国の様子
空港に着いてから入国・荷物受け取りを無事に済ませて、帰りの電車に乗って帰宅・・・
のはずでしたが、自宅近くの駅に来たところでドイツ国内で使っていたwifiルーターを空港で返していないことに気がつきました。大急ぎで引き返し、途中の東京駅の売店内にある返却スポットに返してきました。帰る途中のまだ気力が残っている時に気がついて、しかも返却スポットが空港だけでなく市中にあって良かったです。

そんな訳で憧れだったドイツ旅行は終わり、ですが今回の旅行のブログ記事あと2回ほど続きますので、もう少々お付き合いください。