初冬の秋田旅行その3〜羽後に残る都バスの残像2013年12月13日 00:51

明けて12付き1日日曜日。懸念された天気もまずまず回復。
今日はK氏のおすすめで、午前中は秋田県南部を運行する羽後交通バスの営業所を訪れることにしました。
ここは、バスファンのパラダイス。
その間、うちの妻とK氏夫人は、「バスは男だけで楽しんでおいで」と言い残して途中下車、二人で角館女子散歩に出て行きました。
行かせてくれてありがとう。

奥羽線の普通列車に揺らせて1時間余、秋田県の南端にある湯沢駅に到着しました。
駅は立派な駅ですが、新幹線の流れに取り残されて、いまでは普通列車しか来ません。駅前の新幹線パーク&ライド用駐車場「こまち・つばさ駐車場」のみが、ここが幹線駅であることをささやかにアピールしています。

目指す羽後交通のバスは駅前には乗入れて来ず、歩いて5分くらいの羽後交通のバス営業所から出発します。上屋と観光営業所・待合室とからなる、必要十分な立派なターミナルです。車庫と乗り場と事務所が一体になったバスターミナル、模型でも作りたくなってきます。

程なく、丸みを帯びたバスが入ってきました。後ろ姿だけでもバスファンだったらこいつが何者か一目瞭然です。
これが今回の旅行で目当てにしている78号車、もう日本でも稼働車がほとんど残っていない富士重工5E車体(1982年〜1989年)を持つ旧型バスです。
残念ながら、今日は車庫に帰って来たら午後まで車庫から出ない、との事。妻の理解の上で、待ち合わせの約束をしたバス趣味ですので、予定を変えて追い詰めることは断念しました。
製造されてから25年経っているものの、凍結防止剤を大量に散布する雪国で使用していたとは思えない、錆の少ないコンディションを保っています。北東北のバスにはいろいろ乗って来たつもりではありますが、この年式でここまで綺麗なコンディションを保っていること自体、とても信じられません。

早速、営業所のご好意で許可を得てバス車庫構内に入れさせて頂きました。K氏と大学で会ってもう20年になりますが、バスの営業所巡りは今なお健在。
羽後交通は、小田急バスに良く似た白とアズキ色の塗り分けですが、その中古車の多くを都営バスから買い求めています。自分たちが大学生だった20年前に、都内を縦横無尽に駆け巡っていた車両が、そのまま残っています。
前扉脇の行先表示幕は小さく改造されて、スピーディな乗り降りに貢献したであろう中扉は締切になっておりますが、錆も少なく良好なコンディションを保っています。
写真上の日野も、写真下のいすゞも、とても20年落ちの旧型バスには見えないです。

特筆すべきは、25年以上前に製造された、1983年排気ガス規制車が多く残っていること。先ほどの78号車の他に、車体/エンジンをモデルチェンジした257号車(日産ディーゼルP-U33K、富士重工7E車体)もいます。

そして、営業所中央に鎮座する旧型車3台。先ほど通りかかった78号車(日産ディーゼルP-U32K)の隣にいる81号車(日野P-HT223BA)も、よく見れば前面方向幕廻りが角張った旧型車。
手前の20年落ちの富士重車体のいすゞ車が新しく見える、「奇跡のラインナップ」です。
自分がバス趣味を始めた大学生の頃は、それこそ25年運行を続けたバス車両自体がいませんでした。これだけ残っている事自体信じられません。


運転台廻りも、古さは隠せないものの綺麗に使われています。写真手前の日野車は、運転台パネルに木目調のシートが貼られ、大事にされている様子が分かります。

そして1980年代の時点で珍しくなっていた丸い前照灯。横の通気孔まわりには、塗料が少しはげて出自が分かるライトグリーンが露出しています。

デビュー当時はフラッグシップ車であったであろう観光バスも、県内高速用車両に格下げされて現役です。このセレガも20年落ちです。

地方のバスは、路線自体が大幅縮小したり、残っているところでも写真のような燃費の良い中型車への交換が進んでいるところもありますが、ここ湯沢では、まだ彼等は少数派。

ここはバスファンにとってのサンクチュアリでした。

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