真岡鐵道SLキューロク館を訪ねてきました。2015年11月30日 21:11

茨城私鉄紀行(上)(下)の続きです。

下館からは、やはり他人事のような表情をして真岡鐵道に乗り移り、真岡へ。
途中、上りのSL列車とすれ違います。

真岡駅には、大正時代に製造された貨物用の9600型蒸気機関車49671を圧縮空気で動くようにして動態保存している「SLキューロク館」が出来ていました。
かねがね気にはなっていましたが、平成25年に開館してから近すぎるせいもあり足が向かず、今回の日帰り旅行で尋ねるのがちょうど良いタイミングでしたので、行ってみました。
9600型は、大正時代に製造された古い機関車でありながら、扱いやすいことから最後の最後まで国鉄線を走った、貨物型の蒸気機関車です。

49671はSL型の真岡駅と同じ形の展示館の中に収められています。
圧縮空気で自走するように整備されておりますが、何より近くに来て心ときめいたのは油の匂い。機関車の動輪周りにしたたる油滴、油膜で鈍く光るロッド。静態保存ではお目にかかれない、この蒸気機関車が「生きている」証です。

青函連絡船の客車内で保存されていたスハフ44型客車も機関車と一緒に保管されております。こちらも現役当時のまま、北海道型の二重窓もしっかり残っています。

折しも、翌日日曜日には、今年9月に静岡から引き取られたD51 146号機の整備が終わりお披露目となるため、その準備が進められていました。
まだ公開前で、ナンバープレートは覆われています。デッキとデフレクターが短く、ボイラーが太く見えて力強い北海道のD51の特徴がわかります。
49671もスハフ44も北海道由来の車両であり、ちょうど北海道の客車が3種類揃った子tになります。真岡鐵道で引き取ったのは「北海道型」の縁かもしれません。

D51に続いて保管されている客車も、一畑電車や蒲原鉄道から古い貨車を集めて展示されております。車輪周りのバネが短く、バネと車体とが直結しているシュー式で、その古さがわかります。

帰りの真岡線の中で夕暮れとなり、本日の鉄分補給は終了。
ちょうどすれ違いでSL列車の折り返しの客車列車が到着。DE10が50系客車を牽く、昔はごくごくありふれた列車でしたが、今ではこれに乗れるのは真岡鐵道のみ。
こうしてキハ20とすれ違うかのようなアングルで見ると、もはや模型でしか再現出来ない懐かしいイメージがこみ上げてきます。

これからしばらく仕事して帰って寝るだけの日々が続きそうで、その予感だけで憂鬱になる日が続いていましたが、茨城の私鉄各社をくまなく乗り比べ出来、大変良い気分転換になりました。
また、頭でっかちになっていた鉄道や乗り物関係の印象も、実物を見て乗ることで経験に裏打ちされた整理をつけられた気がします。


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