新型電車「ACCUM」に乗ってきました。2014年05月10日 18:04


せっかくの土曜日・・・・でしたが、勤め先に忘れ物をしてしまい、朝栃木県内にある勤め先まで出る羽目になりました。
用件は速攻で済ませ、このまま帰宅するのも如何なものかと思っていたところ、ちょうど今年の春から烏山線に新しく入った蓄電池式電車ACCUM(EV-E301系)の時間に合いそうなので、宇都宮駅に顔を出してきました。
きっぷ売り場前の手書きのポップや、発車案内でも「ACCUM」と大きく描かれており、地域の新名産品のように新しい電車をアピールしています。(蓄電池式の鉄道車両自体は古くからあり一旦は世界でも廃れかかったが、ここ数年の蓄電池の性能向上をうけて見直されつつあります)
ちなみに、ACCUMで運転される電車の列車番号は「xxxxM」つまり運行上も電車として扱われています。
蓄電池とモーターを持ちつつもエンジンの力で走るハイブリッドディーゼル車両も普通になりつつあり、またJR西日本では、蓄電池車ながら蓄電池充電用にエンジンを積む「電車」(SmartBEST)もあり、技術の発達により「これは電車か気動車か」に悩む中間的な車両が増えつつあります。

早速乗ってみましょう。車内はこんな感じ。
感心したのは車内のデザイン。LED化された屋上照明がアルミ整形版に綺麗に収まって間接照明のようになっており、その肩部分にはアクセントのようにダークグレーの柄付フェルト(?)が貼られております。ベージュの外壁に茶色の滑りにくい床で、標準幅ながら車内の広がりを感じさせます。
総合車両製作所のステンレス車ブランドである「sustina」の看板を背負っていますが、それに恥じない内装の作りだと思います。
車体隅部のトイレのような形状をした機器室の存在が少々気になるところです。ただ、数年前の蓄電池車両試作車「NE-TRAINスマート電池くん」では、機器室が足りず客室スペースを大きく犠牲にしていた(窓がルーバーに改造されていた)ことを考えれば、蓄電技術の進化の速度は非常に早く、数年後にはこのようなスペースはいらなくなるのかもしれません。

外見は209系から共通するようなごく普通のステンレス車でした。宇都宮出発時はパンタグラフが経っていましたが、烏山線起点の宝積寺到着時点で既にパンタグラフはたたまれていました。
どこかで自動的にパンタグラフを降ろしたのかもしれません。

電化されていない烏山線内は自車で積んだ蓄電池で走ります。
やはり気動車と比べると静かで揺れがありません。
バッテリーの容量は、宝積寺から烏山までの約20kmを余裕をもって走りきる(烏山駅には集電用の架線が新設されています)分量が搭載されています。

今回は時間の都合で烏山までは行かず、途中の鴻野山で下車しました。
鉄道模型の駅のような3両分のホームが無人駅で、周りには宇都宮〜烏山連絡の県道のほか、自販機すらありません。


それでも、ホームはここ最近で整備されたのでしょうか、2両分のみですが上屋も親設されておりホームステップも全面的に改修されています。
烏山駅も建て替えられたことから、烏山線沿線の駅が今回の新車導入を契機に全面的に改修されたのかもしれません。
鴻野山で降りたのは折り返しの都合(大金で降りると折り返しに余裕がなくなる)でしたが、固定式レイアウトで表現するのに向いている、シンプルだけど鉄道模型ファンが欲しいものが揃っている(よけいなものも無い)駅であることを発見しました。大きい収穫です。

さて、この蓄電池車両、今後はどうするのでしょうか。
ハイブリッド気動車よりもCO2排出量は少ないものの航続距離が稼げず、また蓄電池に貯めるれる電気が直流である(交流は直流に変換する必要あり)ことから、JR東日本管内では、蓄電池関係の性能向上(蓄電容量の向上と充電時間の短縮化)を見極めながら、他の関東甲信の非電化路線に導入するものと考えられます。
また、意外なところでは、黒磯駅の設備改修(駅で直流と交流を切り替えていた設備が老朽化したため、常磐線・水戸線と同様な駅間切り替えに変更)で、従来の交流電車が使えなくなる黒磯〜新白河間(黒磯駅の設備更新の一環で、新白河駅の折返設備新設も予定されている)にも、烏山線と車両を共通化できることから、投入される事もありえるのではないか(もう一つの案は、水戸線の車両更新とあわせたローカル線向け交直流電車の投入)と見ています。

帰りは鴻野山から宇都宮まで、従来からの気動車で戻ってきました。
昭和50年代の国鉄危機の時代から全国の地方ローカル線を長年にわたって支え続けたキハ40系列も、そろそろ先が見えつつありますので、記録/乗車は計画的にした方がよいかもしれません。






コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
ひらがなで以下の8文字を入力してください
でいすいてつどう

コメント:

トラックバック